彦根市議会 1999-06-01
平成11年6月定例会(第10号) 本文
22
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。
次に、議案第60
号平成10年度
準用河川彦根城堀導水工事請負契約の変更につき議決を求めることについてを採決いたします。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
23
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。
次に、議案第61
号住民訴訟に係る
弁護士報酬の負担につき議決を求めることについてを採決いたします。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
24
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。
次に、議案第62
号豊郷町外7
カ市町伝染病院組合の解散につき議決を求めることについてを採決いたします。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
25
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。
次に、議案第63
号豊郷町外7
カ市町伝染病院組合の解散に伴う
財産処分につき議決を求めることについてを採決いたします。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
26
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。
次に、議案第67
号彦根市
廃棄物処理施設排ガス高度処理施設改良工事請負契約につき議決を求めることについてを採決いたします。
本案に対する
委員長報告は可決であります。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
27
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、本案は、原案のとおり可決されました。
次に、請願第10
号彦根市に
場外馬券売り場は不必要であることを確認する
請願書を採決いたします。
本請願に対する
委員長報告は不採択であります。
お諮りいたします。
本請願を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
28
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立少数であります。よって、本請願は不採択と決しました。
次に、請願第11
号名神彦根インター横に建設が計画されている
場外馬券売り場に反対する
請願書を採決いたします。
本請願に対する
委員長報告は不採択であります。
お諮りいたします。
本請願を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
29
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立少数であります。よって、本請願は不採択と決しました。
次に、請願第12号「食料・農業・
農村基本法」および
関連政策の充実を求める決議ならびに政府への
意見書提出に関する請願を採決いたします。
本請願に対する
委員長報告は採択であります。
お諮りいたします。
本請願を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
30
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立全員であります。よって、本請願は採択と決しました。
──────────────────
日程第3 意見書案第3号から意見書案第7号まで上程
31
◯議長(
田島茂洋君) 日程第3、意見書案第3号から意見書案第7号までを
一括議題といたします。
職員にこれを朗読させます。
〔磯谷副主幹兼議事係長朗読〕
32
◯議長(
田島茂洋君) お諮りいたします。
ただいま議題となっております各意見書案のうち、意見書案第3号については、内容も簡明でありますので、提案者の説明を省略いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
33
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、意見書案第3号は、提案者の説明を省略することに決しました。
意見書案第4号から意見書案第7号について、提案者の説明を求めます。
10番成宮祐二君。
〔10番(成宮祐二君)登壇〕
34 ◯10番(成宮祐二君) 意見書案が
一括議題となっておりますので、私は、意見書案第4号と第6号について
提案説明をさせていただきます。
まず、意見書案第4号「組織的犯罪対策」3法(盗聴法)(案)に反対する意見書についてであります。
「組織的犯罪対策」3法、以下盗聴法案と言いますが、去る6月1日に衆議院で自自公3党の審議、採決を強行して通過をしました。政府や法務省は、この盗聴法案は、オウム真理教事件や暴力団による薬物犯罪、銃器、鉄砲などですが、銃器犯罪の広がりへの国民の危惧を背景に、犯罪の国際化に対応するための国際的要請があるとの口実で、この盗聴法を成立させようとしています。
しかし、ご存じのように、日本国憲法21条は、集会や結社の自由などとともに、検閲の禁止、通信の秘密を侵してはならないと明確に盗聴を禁止しているところであります。
まず、この盗聴法案は、憲法に違反する法案であります。そうしたもとで、もしも盗聴が認められるとなると、盗聴の対象となる通信は、電話、携帯電話、PHSはもちろん、ファクシミリやコンピューター通信も含まれ、通信の内容のすべてが対象であります。容疑者とされる人が所有したり、通常使用している電話などに限らず、容疑者が立ち寄る会社や団体、知人宅の電話も盗聴の対象になります。
また、対象者はどうかといいますと、政府は、組織犯罪対策のために盗聴が必要と述べていますが、2人以上の共謀があれば足りるとしており、組織犯罪に限定されません。対象となる犯罪の中には、逮捕監禁などの犯罪が含まれており、これは、暴力団などによって組織的に実行される犯罪とは限らないものであります。
また、この法案には、監禁のほか、強要、信用毀損、業務妨害などの罪名が含まれています。これらは、労働組合、市民団体などの団体交渉に対する弾圧、干渉に使われてきた罪名です。警察が弾圧を意図して労働組合、市民団体などの監視のために盗聴を乱用することは十分考えられます。
捜査というのは、過去に発生した犯罪を対象に行われる活動であります。ところが、盗聴法は、既に発生した犯罪の捜査のためでなく、犯罪が継続して行われる疑いがある場合や、これから犯そうとする犯罪の準備として盗みをした場合など、犯罪が未発生でも盗聴できる仕組みになっています。これを事前盗聴といいますが、この事前盗聴は、犯罪の予防、鎮圧、情報収集を目的とする行政警察の機能を捜査として認めることになり、警察の権限乱用の危険性を増大させます。
どのような会話がなされるかは聞いてみなければわかりません。そのため、何か怪しいことを話していないかと多数の会話を試しに聞かざるを得ないのです。法案は、この、試しに聞いてみること、予備的盗聴について、最小限という基準しか設けておりません。最小限か否かは警察官の思いのままであります。
さらに、法案は、他の犯罪についての会話ではないかと疑われる会話についての別件盗聴することも認めております。令状に記載された犯罪以外の犯罪についても、これからその会話がなされるかもしれないという疑いで盗聴することが可能となります。
かいつまんだ問題点を指摘いたしましたが、どこから見ても、この憲法違反の法案を成立させることは、国民生活そのものを崩壊させるほど問題のある法案であります。
ところが、今日までの国会の審議の中で、当初反対、廃案を主張していました公明党が、政府案を大幅に修正し、プライバシーの侵害を防止したとされる問題であります。
報道によれば、修正案は、対象を麻薬、銃器、密入国、組織的殺人の4種に限定したとしておりますが、その疑いがあれば、盗聴ができ、予備的盗聴、事前盗聴、別件盗聴も認めており、範囲は何ら限定されません。盗聴のときに、NTT職員などの立会人を常時置くともしておりますが、立会人はただそこにいるだけ、盗聴の内容は一切聞けず、盗聴を切断する権限もありません。
さらに、盗聴の令状請求ができるのを検事と警視以上の警察官に限定しましたが、もともと、検察、警察機構は一体であります。こんな憲法違反の悪法を、自自公の数でごり押しするそのやり方にも、この法案の怖さがよくあらわれていると思います。
この盗聴法案には、日本共産党を初め、民主党、社民党も党派を越えて共同で反対。市民団体とともに、盗聴のターゲットになるマスコミも取り上げたし、日弁連、日本ペンクラブ、新聞労連、民放労連なども反対の声を上げているところであります。
こうした問題がこれから参議院の場で審議されるわけであります。ぜひ
議員諸氏のご賛同をいただいて、この意見書が参議院などに反映されるようにお願いし、この意見書第4号に対する
提案説明を終わります。
次に、意見書案第6号住民基本台帳法「改正」案に反対する意見書について
提案説明を行います。
文書にもありますが、住民一人一人に番号をつけ、住所や氏名などを全国で一括管理する住民基本台帳法「改正」案が、15日衆議院を強行通過、参議院へ回されています。
改正案は、すべての国民に10桁のコード番号をつけ、住所、氏名、生年月日、性別の4つの情報を全国の自治体をつなぐコンピューター網に載せ、公益法人の全国センターが管理するというものであります。
自治省は、今回の改正で、データを内蔵したカードを持っていれば、どこの市町村でも住民票の交付が受けられる、特定の行政事務について本人の確認が簡単になるなどと言いますが、全国統一で国民一人一人に番号をつけるというのは、国民総背番号制につながるのではないか、プライバシー保護に問題はないかという危惧の声が上がっており、国民的合意のないまま今回の改正を進めることには問題があります。
この法案の内容は、国会の審議を通じても明らかになりましたように、1つの問題点は、個人情報保護措置が修正を施してもなお不十分であり、不備であるという点であります。
今、現行制度のもとでさえ、住民基本台帳の閲覧制度を利用した不特定多数に送付されるダイレクトメールに、プライバシーが侵害されたと感じる国民が増加をしています。こうした現状を反映して、市町村の担当者からは、住民基本台帳の閲覧を公用請求以外は禁止してほしいとの要望さえ出されているのが現状であります。
ところが、本法案は、不正に個人情報を利用された場合の中止請求権、情報の提供を受けた行政機関のデータの目的外使用についての刑罰規定も明記されていません。また、他の目的への流用防止に欠くことのできない、利用後の情報消去という重要な問題についても、自治省令に基づく管理規程で定めるとし、法案には明記されていないのであります。
自由民主党、公明党・改革クラブ、自由党の3党修正案で、個人情報保護のための所要の措置を講ずることがうたわれましたが、この条文の挿入によってもなお本法案の持つこうした欠陥は何ら取り除かれないのであります。
審議を通じて、プライバシー権を権利として確立し、保障することを土台とした民間や自治体を網羅する包括的な個人情報保護法の制定が、本法案施行の前提であることが共通の認識となりました。
ところが、修正案の中で、小渕首相は、個人情報保護というものになるかどうかと疑問を呈し、個人情報保護法が制定されなければ、ネットワーク制度を実施しないとの明言を避けている。こうした事態からしても、この問題は非常に疑問が残るところであります。
包括的な個人情報保護法の制定に全力を尽くし、そして、その制定を待って、本法案の審議を尽くすというのが、国民が納得する道筋ではありませんか。本法案を性急に押し通す必要は全くないのであります。いわんや、今指摘いたしましたような、この法案を結果を残したまま通過させるということには大問題があるわけであります。
2つ目の問題は、史上初めて全国民に共通番号がつけられることに対しての国民合意がないことであります。
広く国民の間でも、生まれてから死ぬまで番号がつけられ、その番号によって管理される社会へと一歩が踏み出すことへの大きな不安が寄せられています。日本弁護士連合会からも、国家からの自由を含めて、私生活全般、生活全般について把握をされるというような事態は憲法が想定していない状況との意見も出されています。共通番号を導入することへの国民的な合意は全くないと言わなければなりません。
その上、審議を通じて、住民票コードをマスターキーにして、利用範囲を拡大していく政府の意図も明らかとなりました。自治省と厚生省との間では、住民票コードと基礎年金番号の2つの番号制の導入をめぐって、それぞれの利用範囲を定めた覚書を結び、将来、コードを年金業務に拡大することが明らかになっています。また、将来的には、納税者番号制の基礎となり得ることもはっきりとしてきました。
国民総背番号制につながる危険な道を進むかどうか、共通番号制の導入が憲法に抵触しないのかどうか、広く国民的討議にかけ、慎重な検討がなお必要なのであります。
最後に3つ目は、この制度が、政府の言うような地方自治体が主体の分権型システムではなく、中央集権型、情報一元化を意図したものだからであります。
法案は、自治大臣が認可した全国1カ所の指定情報処理機関から国の行政機関に住民票コードと4情報を提供できるとしています。その1つは、オンライン接続が予定され、ネットワークシステムの専用回線が使われることが明らかになりました。これは、このネットワークシステムの中に国の行政機関が完全に組み込まれていることを意味しています。市町村長がつけた個々人の住民票コードと4情報が、都道府県センターを介して指定情報処理機関に集められ、その情報が国の行政機関に送信されるという仕組みは、分権型どころか、一元化、集権型だと言わざるを得ないと思います。
以上、3つの点で少しお話をいたしましたが、私どもは、今申し上げた点から、性急に決めることについては反対であります。ぜひ議員各位のご賛同をいただきまして、これも今審議中の参議院などへ意見が通るようにお願いいたしまして、私の
提案説明といたします。
35
◯議長(
田島茂洋君) 暫時休憩いたします。
午前10時39分休憩
午前10時51分再開
36
◯議長(
田島茂洋君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
11番田中滋康君。
〔11番(田中滋康君)登壇〕
37 ◯11番(田中滋康君) 意見書案第5号地方自治体の自主的な行財政権を保障する「地方分権法」の制定に関する意見書案、この趣旨説明を行います。
地方分権推進
委員会におきましては、国、自治体の関係を上下主従の関係から協力の関係にすること、このことと、中央集権型システムを地方分権型のシステムに転換することが課題とされてまいりました。
普通、地方分権といえば、地方自治が拡充されて、自治体の能力が試される、こういうものかといえば、でき上がってきた法案はそうではないんです。政府は、国と地方の関係を対等、平等にして、自治体が自主性、自立性を発揮するものにする、そういう法案であると言っております。
ところが、分権とは名ばかりで、今まで以上に国の関与、統制を巧みに盛り込んだ新たな地方統制法と言うべきものになっております。一括法案は、地方自治体に対する事務、今現在、機関委任事務と自治事務があるわけでございますが、その機関委任事務をなくして、そして法定受託事務と自治事務と、このように事務の区分を再構成するわけでございます。
ところが、設けられます法定受託事務、これはこの意見書の中にもありますように45%、機関委任事務のうちの45%からを、これを法定受託事務といたしまして、この範囲が広範にわたると。しかも、法定受託事務の処理基準は国がつくって、その処理基準の中に裁量基準を書き込めれば、国が自治体をコントロールすることができると。こういう行政立法的関与という新しい手法を持ち込んでいるわけでございます。
そして、自治事務につきましても、今度は自治体が法的な義務を負う、是正要求権、こういうものを明示しまして、これが出されますと、自治体はこれらに対しまして改善義務が課されます。そして、しかもこの権限は、今までは総理大臣だけであったのが、関係する各大臣にまでその権限を与えていると。このようになりますと、国は自治事務に関しましても、直接関与する、こういうことが可能になってまいります。
しかも、国が直接執行、こういう余地を残している並行権限の規定というのがありまして、例えば老人ホームなんかが基準に合致していないと、こういう場合は国が直接行うことができると、こういうような規定もありますので、こうなりますと、国の物差しで自治体のすべてにわたって関与、指示が可能となります。こう考えますと、現行よりさらに国の強い権限行使、支配権行使ができるようになるわけでございます。
そして、通達行政、これが1つの目玉であったんですが、結果としては、これは温存したままで、今ほど申し上げましたように、法律で処理基準や、あるいは是正要求権、そして、それでも自治体が国の言うことを聞かなかったら、国が代執行までやれると、こういうわけでございます。
しかも、こういった分野は、福祉や教育、暮らしを守る分野、ここが大半を占める必置規制の見直しというのがあるんですが、というのは、自治体はこういう資格を持った職員を配置する義務があると、こういうことを規定した必置規制規定ですね、これを見直すというわけでございますが、例えば図書館にはその館長さんは司書で資格が要るとか、そこの図書館職員の定数は司書が何人以上でないといけないとか、こういうような配置基準もあるわけですが、こういったものを見直す、緩和するわけですね。そうしますと、これはまさに行政水準をだんだんと切り下げて行く、そういう結果になるわけでございます。
そして、その一方で、事務は地方にどんどん増やして移譲します。ところが、財源の移譲はしないんですね。これでは、地方自治体、財政危機一層深まってまいります。そしたら、地方自治体の最後の逃げ道は市町村合併、こういうところに追い込まれてしまいます。
このように考えますと、非常に国民生活に深いかかわりを持っている、また、自治体の仕事にも大きな影響を及ぼす、こういう一括法案でございますので、慎重に審議する、こういうことが求められるのではないでしょうか。
そして、この意見書にも最後、結びに書いておりますように、地方分権の推進に当たっては、まず国の統制や干渉を排して、憲法が保障する地方自治の発展につながるものにすると、そういう地方分権一括法案にするためにも、この意見書採択をぜひとも
皆さんご賛同いただきますことを願う次第でございます。
次に、意見書案第7号国旗及び国歌に関する法案の撤回と十分な国民的議論と合意を求める意見書案の趣旨説明を行います。
日の丸・君が代法案が国会の会期末に提出され、国民の議論はもちろん、国会の審議さえ十分でない、そういう状況のもとで、自民、自由、公明という政党間の思惑で、国の重要問題、重大問題を決めようとしています。今、国民的な討論を行うことがまず真っ先に求められることでありまして、国民的な討論を抜いて、その議論を封殺するような法制化には反対して、数による横暴は厳に慎むべきではないでしょうか。
日本にふさわしい国旗・国歌について、国民の間で十分な討論を行う、こういったことを保障すること、そして、国民の合意を得る、そのための努力をすることこそ今日的に求められていることではありませんか。日本共産党は、衆参両院に、国旗・国歌に関する調査会をつくることを提案しています。そして、そこにおきまして、有識者や国民の広範な層のお声を聞いたり、また、外国の事情を調べてみたり、今大きく問題になっている教育現場、その実態調査をしたりと、そういうことを行うことによって、国民に国旗・国歌に対する判断をするための情報を提供する。そして、その情報をもとにして、国民の
皆さんが議論をし、そして正確な多面的な情報をもとにして、国民の間で議論を今こそほうふつと沸き起こすことが必要ではないですか。もっともっと議論を尽くしなさいと、こういうお声は大手新聞の投書欄、ここにおいても顕著でございます。
そこで、先ほど申し上げましたように、このような議論をしないで法制化しようと、拙速にしてしまおうと、こういうことは到底納得ができないんです。しかも、日の丸・君が代につきまして、国民的な定着があるんだと、こういうお声もあります。果たして
皆さん、そうでしょうか。
NHKが調査を行われました。日の丸・君が代について、両方とも法制化について反対していらっしゃる方は33%、君が代をほかのものに変えた方がいいんではないか、こういう方が14%、日の丸をほかのものに変えた方がいいんではないか、1%。要は、日の丸・君が代について、今のままで法制化に反対する人、48%いらっしゃるんです。こう考えますと、賛否両論相拮抗していると、そのように言えるんではありませんか。
そしてまた、
皆さん、思想、信条の自由、良心の自由、こういうことを侵すべきではないから、そこで、いかなる場所においても強制をしないと、こういうことを明記すればよいではないかと、こういうことを主張なさる方もいらっしゃいます。
皆さん、果たしてそうでしょうか。今現在法制化されていないんです。
ところが、教育現場では、日の丸・君が代をきちんと扱ったかどうかと、こういうことによって、文部省自身が、全国の国立の学校長の会議におきまして、それをしたかしないかによって予算配分にも差をつけますよと、こんなことを昨年末にはっきりと言っているではありませんか。
また、
皆さん、地元の県下における小・中学校等においても考えてみましょう。卒業式とか入学式、やっぱり日の丸・君が代についても、教育
委員会の方は、それをきちんと扱ったかどうか、そういったことを学校長に対して報告を求めたり、そして、それをしなかったところは、どうしてしなかったんかと、こういうことも尋ねているではありませんか。既にもう今、法制化されていない現在でも、半ば強制されているんです。これが法で今度は定められたと、こういうことになれば、今度は法治国家だから、法を守るのは当然だと、こういう論理が横行しますんではないですか。
そしたら、今以上に、この君が代、日の丸、こういったことはなお一層強制が強化こそされて、それを各人の自由な意思に任すんだと、こんなことは到底考えられません。もしも強制しないことを前提とするならば、今、世論を2分しているようなこんな状況下において法制化する必要などどこにあるんでしょうか。全くないと思うんです。
また、
皆さん、日の丸・君が代は、侵略戦争の旗印、学徒出陣、戦死者を身内に持つ方、こういった方は思いにも複雑なものがあります。思い返せば、過去の歴史の傷口のシンボルといえるものがあると思うんです。この意見書の中に「過去の歴史の傷口のサンプル」となっているんですが、ちょっとこれは、もし直していただければ、「サンプル」を「シンボル」と変えてほしいんですが、シンボルとなっていると、こういう状況にあろうかと思うんです。
そして、先日も政府が見解を出しまして、君が代の「君」に対する、この見解を発表しましたですね。これを考えましたら、今、主権在民の憲法下において、天皇を中心とした歴史を逆戻りさせる、そういう大きな問題をはらんでいると思うんです。
また、
皆さん、君が代の「君」の解釈につきまして、これは時代によって変わるんだと、こういう解釈論で糊塗しようと、取り繕ろうと、こういう方もいらっしゃいますけども、こんなことは到底認められるわけじゃございません。
また、
皆さん、外務省の在外公館で配られていましたリーフレット、ここには、君が代の「君」につきまして、Kimigayo means“The Reign of Our Emperor”と、このように記されておりまして、「君」とは我が天皇の治世を意味すると、このように表記されていることが問題になったこと、
皆さんも記憶に新しいんではありませんか。
このように考えますと、きょう、あすの生活にかかわる問題ではない、国家の象徴たる表章のことより、人間、社会のあり方が大事であると、こういう国民のお声もあります。このお声を締めくくりといたしまして、慎重な審議を求める声が各党の中にもあるという、こういうことも斟酌していただきまして、ぜひともこの意見書採択を願う次第でございます。
以上をもって終わらせいただきます。
38
◯議長(
田島茂洋君) 以上で提案者の説明は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
39
◯議長(
田島茂洋君) 質疑なしと認めます。
これにて質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
発言の
通告書が5人の諸君から提出されておりますので、発言を許します。
その順位は、22番
山口大助君、9番
手原政良君、21番村岸阿津雄君、7番松本忠男君、5番伊藤善規君の順とし、順次ご登壇願います。
22番
山口大助君。
〔22番(
山口大助君)登壇〕
40 ◯22番(
山口大助君) 私は、意見書案第6号住民基本台帳法「改正」案に反対する意見書に対して、反対の立場で討論を行います。
住民基本台帳は、私たちが市区町村に届ける住民票から成るもので、今回の改正案では、4つの基本事項をコンピューターネットワークに載せ、全国どこでも住民票を受け取ったり、本人の確認ができるようにして、住民サービスの充実と行政の効率化を図ろうとするものでございます。
意見書中では「プライバシーの保護という点から見ると、重大な欠陥がある」とございますが、ネットワークにつなげるのは、住民票コードと4情報だけ入れたコンピューターで、各市区町村の住民基本台帳の情報を蓄積しているコンピューターには直接つなげないこと、他の市区町村や都道府県、全国センターとは一般回線ではなく、専用回線で結ぶ、全国センターと中央省庁間の情報提供は、ネットワークではなく、磁気ディスクで行うなど、情報の流出に細心の注意が図られております。
また、個人情報保護法についてでございますが、コンピューター時代の進展に合わせて制定の必要性が高まり、私ども公明党もかねてより制定を主張してまいりました。今回、公明党は、個人保護法の制定がシステム運用の前提でなければならないと主張し、政府へ強く迫りました。
その結果、衆議院では、法律の附則に「個人情報保護に必要な措置を講じる」という文言を加え、小渕首相は、
委員会で、「必要な措置とは保護法制定も含めたシステムづくりである」と言明をいたしました。また、公明党は、与党との間で、3年以内、これはネットワークシステムが運用される前ということでございますが、3年以内の個人保護法制定に向けて検討
委員会を設置し、年内に法案の骨格を決定することで合意もいたしております。
この住民基本台帳法の制定により、市民生活も大きく変わってまいります。住民票も、改正後は、例えば仕事先、旅行先、出張先、出産や介護等で実家などに戻っているときなど、随時その市区町村の窓口で受け取ることが可能となりますし、児童扶養手当、恩給、共済保険、雇用保険、労災保険など、住民票の提示が必要でなくなります。建築士や不動産鑑定士などの免許・資格の申請や、受験なども住民票の提示は必要なくなるなど、国が行う92事務の手続が簡素化されるものでございます。
さらに、希望する住民に市区町村が発行するICカード、これは住民基本台帳カードでございますが、には、4情報のほかに、市区町村が条例などで定めれば、福祉カード、医療カード、施設利用カード、印鑑登録カード等の機能を加えることも可能でございます。
島根県出雲市が先進的に実施をいたしました福祉や医療、行政サービスを一本化した住民ICカードが現在も多くの市町村で導入が試みられておりますが、今後、
介護保険導入に際しましても、福祉・医療・保健などの連携を進めるに当たりましても、その運用に大きな効果が期待されるものであり、本意見書中「政府のいうような地方自治体が主体の分権システムではなく、中央集権型、情報一元化を意図したものです」との指摘は、甚だ表面的、画一的な視点であると考えるところでございます。
21世紀に向けてさらに複雑化・多様化する住民ニーズと、行政サービスの向上・効率化が幅広く推進されるためにも、住民基本台帳法の改正は必要であると、このように考えるところでございます。
以上のような諸点を述べさせていただきまして、意見書案第6号住民基本台帳法「改正」案に反対する意見書への反対討論とさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
41
◯議長(
田島茂洋君) 9番
手原政良君。
〔9番(
手原政良君)登壇〕
42 ◯9番(
手原政良君) 私は、意見書案第4号「組織的犯罪対策」3法(盗聴法)(案)に反対する意見書、意見書案第5号地方自治体の自主的な行財政権を保障する「地方分権法」の制定に関する意見書、意見書案第6号住民基本台帳法「改正」案に反対する意見書、および意見書案第7号国旗及び国歌に関する法案の撤回と十分な国民的議論と合意を求める意見書について、賛成の立場から討論を行います。
私も意見書案提出者の1人でありますが、この4つの意見書の採択を求める理由は、国会の会期の延長まで図って政府・自民党などが成立をねらう盗聴法案は、通信の秘密を侵し、警察の盗聴を合法化するものですし、地方分権一括法案は、国の地方に対する統制を強化する地方統制法となっているからであります。
また、住民基本台帳法「改正」案は、全国民に番号をつけて情報を管理し、プライバシー侵害の危険があるものであります。日の丸・君が代法制化は、侵略戦争の旗印となった日の丸を国旗、主権在民に反する君が代を国歌と定めるとしようとするものであるからであります。
自民・自由・公明3党は、6月17日、衆議院本会議で国会会期を8月13日まで57日間大幅延長する決議を、日本共産党、民主党、社民党の反対を押し切って強行いたしました。政府・与党は、延長国会で、参議院で審議中の盗聴法案、地方分権一括法案などに加え、提出したばかりの日の丸・君が代法案や、これから検討する雇用対策名目の補正予算と、産業競争力強化法案と称した大企業のリストラ支援策などを、自自公を軸に強行する構えです。
このようなやり方は、国会の会期制の基本原則を踏みにじる暴挙でありますし、日の丸・君が代法案を会期末直前になって国会に提出し、国会に提出もしていない補正予算の審議などを理由に会期の延長する政府・与党のやり方は、国会を内閣の下請機関にするものであり、政府・与党とこれにくみする勢力の強権的連携は、日本の国の進路を危うくするもので、国民の批判は免れないと確信をするものであります。
そこで、一、二、立ち入って議論したいと思います。
盗聴法案についてでありますが、この法案は、国会の審議を通じて、その法案の危険性はますます明らかになってきています。政府・自民党などは、薬物や銃器犯罪などに対象を絞ったから一般の国民に関係はないと言いますが、その保障はどこにもありません。犯罪に無関係の市民でも、たまたま容疑者に何らかの用事で電話をすれば、それが盗聴されます。事前盗聴、別件盗聴、試し聞きなどまで許されておるのであります。
電話や携帯電話だけでなく、ファックス、電子メールなどのインターネットの盗み見も認めています。インターネットについては、情報を蓄積しているネットワークサーバーというコンピューターにある全データが盗み見される危険があるものであります。
盗聴法案の対象は、暴力団などの組織に限定されたわけではなく、数人の共謀によるものであると疑うに足りる状況があるだけでよいというものです。突き詰めれば、2人いれば共謀とされるわけであります。
一転して賛成に回った公明党は、捜査が困難な犯罪だけに限定したとか、立会人を常時立ち会わせることにしたと弁明されております。しかし、組織犯罪を犯すような犯罪のプロは、法律ができれば、対抗措置をとるでしょう。結局、被害に遭うのは一般国民です。
しかも、立会人には、盗聴内容は知らされず、盗聴の切断権すら与えられていないものであります。プライバシーの侵害の歯どめにならないことは明らかであります。
現職の裁判官でさえ、朝日新聞の6月2日付投書欄で、裁判所の令状請求却下率はわずか0.1%という実態を明らかにし、だれが盗聴の乱用に歯どめをかけるというのかと心配をしています。
こうした法案の危険な内容を知るほどに、国民の反対世論も広がっています。日本民間放送連盟(民法連)、会長は日本テレビ社長でありますが、や、日本ペンクラブ(梅原猛会長)を初め、法案が通れば盗聴に立ち会わされることになるNTT労組などからも、反対や危惧の声が上がっています。また、地方議会にその意見書も各地で採択がされ始めています。一般紙の投書欄にも、この法案への反対の危惧、そして公明党への批判の声が紹介されています。
次に、国旗・国歌、日の丸・君が代法制化について発言したいと思います。
自民党は、22日の衆議院議員運営
委員会理事懇談会で、日の丸・君が代法案について、きょうの24日の衆議院本会議で趣旨説明、質疑を行うよう提案、自由党、公明党は賛成したと報じられているところであります。
私は、日の丸・君が代の法制化は、NHKの最近の世論調査や一般紙の投書などでは賛否は二分しているのに、根拠もなく国民的定着論を振りまき、一気に法案成立を図ろうとしていること、こういう国民的討論抜きの法制化の強行には反対であり、絶対にそういう数の横暴の道を進んではならないと考えるものです。
また、私たちは、今の日本にふさわしい国旗・国歌とは何かということについて、広範な国民的な討論が歴史上初めて始まりつつあり、この国民的討論を十分に保障し、国民的合意を得るための努力を図ることが政治の責任であると考えます。また、そうした見地から、国会がどういう役割を果たすかが、今問われていると考えるものであります。
私たちは、以上の立場から、6月22日、国旗・国歌調査会の設置を提案したところであります。
提案の全文は、1、日本にふさわしい国旗・国歌のあり方について、今広範な国民的討論が始まりつつある。これを十分に保障し、国民的な合意を得るための努力を図ることである。そのために、国会に、国旗・国歌に関する調査会を設置すること。その1つ、国旗・国歌に関する調査会の任務は、この問題について特定の結論を出すことではない。国旗・国歌についての調査を十分行い、その経過と結果を議長に報告し、もって国民的討論に資するものとする、であります。
そこでまた、一文紹介したいと思います。
東京大学の名誉教授の山下肇さんが私たちの新聞「赤旗」の取材に応じて述べられている内容です。「僕は一貫して、日の丸・君が代を国旗・国歌として扱うことに反対してきました。今も国民の中にはいろんな意見が渦巻いています。それを政府は国会の多数だけで法制化を強行しようとしており、極めて政略的で賛成できません。昭和17年(1942年)に、大学卒業を半年繰り上げで軍隊に引っ張り出されて、北海道・千島・樺太の航空隊で丸3年間過ごした。アッツ島の「玉砕」の直後に千島の北の果てまで行って、激しい空襲を受けたこともあります。たこつぼに逃げ込んでも危険で、近くの人がやられたりするのはざらでした。僕は幸いに生き延びられましたが、同世代の友人が次々と戦争で亡くなったわけです。戦死した人たちのことを思うと、日の丸を掲げる気も君が代を歌う気も起こらないというのが決定的なことです。これは僕だけでなく、国民的な体験だと思います。戦後は憲法も変わったのですから、日の丸・君が代を改めて、国民の意見のまとまる国旗・国歌を制定すべきだったと思います。ドイツはそれをやったわけです。ドイツは、戦前にナチスが侵略した諸国に謝罪し、賠償も着実に重ねてきました。その積み重ねがあるからこそ、ヨーロッパの中でも責任ある地位を占められるのだと思います。今年1月から導入されたヨーロッパの統一通貨の中央銀行はドイツのフランクフルトにありますし、今年が生誕250周年に当たるゲーテゆかりのワイマールはヨーロッパの文化首都に決められています。日本が戦争責任の謝罪もろくにせず、今も日の丸・君が代の法制化などと言っているのは、世界の常識から見れば、ナンセンスな時代錯誤です。最近は公明党の動きがおかしいですね。公明党を誘い込んだ国会の多数を図ろうという自民党・自由党の策略に乗って、危なっかしくて見てられません。公明党の支持母体は創価学会でしょう。戦前の厳しい中学受験のとき、僕が指導を受けたのが戸田城聖さん、創価学会の2代会長なんです。このころは戸田城外といって目黒駅で時習学館という受験の塾をやっており、僕はそこに通ったのです。彼の先生の牧口常三郎さん(同初代会長)も時習学館の顧問で、僕も尊敬していました。牧口さんは戦争中、治安維持法などによる宗教弾圧で捕らえられ、獄中で亡くなりました。そうした縁で僕は創価学会から原稿や講演を頼まれていますが、創価学会の人たちにも、この法案に賛成することは獄死した牧口先生の精神を忘れることだと言いたいですね、このようにおっしゃっておられます。
数の横暴の道を進んではならないと思います。6月21日の吉野川河口堰の住民投票条例の可決や、惜敗したとはいえ、東京足立区長選挙の結果は、悪政の数々を押しつける自自公体制に厳しい批判を突きつけた結果を示すものです。
以上から、私は、
議員諸氏が良識を発揮され、意見書の採択をされることを心から訴え、私の討論といたします。
43
◯議長(
田島茂洋君) 21番村岸阿津雄君。
〔21番(村岸阿津雄君)登壇〕
44 ◯21番(村岸阿津雄君) 私は、意見書案第4号「組織的犯罪対策」3法(案)に反対する意見書に対する反対の立場で討論を行います。
憲法第21条第2項は、通信の秘密を保障しており、これについて最大限尊重すべきことは言うまでもありません。
他方、憲法第12条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と公共の福祉による制約を規定しており、通信の秘密の保障も絶対無制限のものではありません。公共の福祉の要請に基づく場合には、必要最小限の範囲でその制約が許されるということは、憲法解釈上のことであります。
「組織的犯罪対策」3法の中で中心となる通信傍受法案は、犯罪捜査という公共の福祉の要請に基づき、通信傍受の要件を厳格に定めるなど、必要最小限の範囲に限定して傍受を行うものであり、憲法に違反するものではありません。
しかし、当初政府提出の組織犯罪対策関連3法案の1つとして出されてきた通信傍受法案には問題が多く、そのまま法案が成立して施行されれば、憲法で保障する通信の秘密が侵される危険性が大きかったために、公明党はこれに反対いたしました。
しかし、一方で、麻薬、銃器、集団密航など、組織犯罪による市民生活の人権侵害が近年大きな問題となっており、これをどうするかということを背景に政府原案に修正を加えました。
まず第1に、政府原案は、対象犯罪を種類で言うと、100以上を対象にしており、それについて通信傍受を認めるということは、捜査の必要性だけが優先されて、通信の秘密が大きく損なわれる危険性を持つ法案になっていました。これを法案の本来の目的である組織犯罪の4類型、すなわち薬物関連犯罪、銃器関連犯罪、集団密航の罪、組織的殺人の4種に限定しました。これらはおよそ一般市民がかかわることが想定されないものばかりであります。
第2に、準備犯罪要件については、政府原案は禁錮以上の刑云々となっていたものを、「死刑、又は無期、若しくは長期2年以上の懲役、若しくは禁錮に当たる罪が、対象犯罪と一体のものとして、その実行に必要な準備のために犯され、引き続き対象犯罪が犯される場合」と対象とされる犯罪の枠に修正を加え、厳しく限定しております。
第3に、令状の請求権者については、政府原案は「検察官、又は警部以上の司法警察員」となっていたものを、「検事、又は警視以上の司法警察員」と権限者を上位に修正しております。
第4に、令状の発付権限者については、政府原案は「急速を要する場合は、簡易裁判官も発付できる」としていましたが、これを「地方裁判官のみ」に限定修正をしています。
第5に、傍受の立ち会いについては、政府原案には、ただし書きに、「やむを得ない事情があるときは、その間、立会人不要」となっていたものを、「常時立会人の立ち会いを必要とする。又立会人は傍受の実施に関して意見を述べることができる」と立ち会い重視の修正をしております。通信傍受で第三者の立ち会い義務づけは、外国でも例のない厳格な制度となっております。
第6に、他の凶悪犯罪の通信傍受については、政府原案には「他の死刑、又は無期、若しくは長期3年以上の懲役・禁錮の罪の実行を内容とするものと明らかに認められる通信の傍受はできる」としているものを、「対象犯罪、及び死刑、又は無期、若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪に限定する。更に裁判官による事後審査手続を設ける」と、凶悪犯罪についても限定修正をしています。
さらに第7に、傍受の際に通信の秘密を侵す行為をした者に対する罰則については、政府原案には「現行の電気通信事業法、及び有線電気通信法の罰則規程のみ」としていたものを、「公務員が捜査、又は調査の職務に関し、通信の秘密を侵す行為をした場合には、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するものとする」、又電気通信事業法、及び有線電気通信法による通信の秘密を侵す罪の法定刑を、次のように引き上げています。一般人については、1年以下の懲役、又は30万円以下の罰金とあるのを、2年以下の懲役、又は50万円以下の罰金に修正する。
事業者については、2年以下の懲役、又は50万円以下の罰金とあるのを、3年以下の懲役、又は100万円以下の罰金に修正する等、傍受の際に通信の秘密を侵す行為に対しては、厳しい罰則に修正しております。
以上、公明党は、通信傍受法案が提出されて以来、一般市民の通信の秘密の保持と、組織的な凶悪犯罪から国民の生命、財産を守るという2つの課題について、慎重に議論を重ね、捜査の円滑化に力点を置いた政府原案に対して、人権擁護の観点から大幅に修正を加えて、通信傍受を特殊な犯罪に対する特殊な捜査として限定するように修正しております。
近年、犯罪の国際化、情報化、組織化が進み、尾行や張り込みといった従来の捜査方法だけでは、組織的犯罪の全容解明が難航しがちな状況にあります。
多くの方が犠牲になられた地下鉄サリン事件など、オウム関連の事件では、組織的な凶悪犯罪の捜査の難しさが改めて浮き彫りにされました。
また、覚せい剤の押収量は、以前は年間100キログラム、多いときでも600キログラムほどであったのが、ことしは6月半ばで既に1トンを超えております。これは3,200万人を中毒症状にできる量であり、このままの調子で行きますと、この1年間で6,400万人、すなわち国民の約半数を中毒症状にできる量の覚せい剤が押収されることになります。決してこのまま放置できるものではありません。
しかも、高校生や中学生まで覚せい剤汚染が拡大しているという恐ろしい実態であります。ことし4月から、全国の中学生、高校生を持つ保護者向けに、子供たちを薬物汚染から守るために、タイトルは「薬物乱用は『ダメ。ゼッタイ』」といったパンフレットが配布されています。銃器犯罪、集団密航の増加も国民を不安にさせております。
これらの背景による闇の組織を捜査するためには、国際的に捜査協力が必要となります。国境を越えた捜査協力の必要性が高まる一方、サミット参加8カ国の中で、通信傍受という捜査手段を持っていないのは日本だけです。日本にその制度が導入されることが、世界の懸案事項となっていました。
毎年のサミットでも、国際協調の重要性が確認される中で、組織犯罪に対して有効な手段を持たない日本がまさに抜け穴のような存在となりかねず、通信傍受法を初めとする組織犯罪対策の強化は、国際社会からの強い要請でもあります。現在は、参議院で審議中でございますが、さらに慎重に審議を重ねられ、一日も早くこの法案が成立することを願うものでございます。
以上のような諸点を述べさせていただきまして、意見書案第4号「組織的犯罪対策」3法(案)に反対する意見書への反対討論とさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
45
◯議長(
田島茂洋君) 7番松本忠男君。
〔7番(松本忠男君)登壇〕
46 ◯7番(松本忠男君) 意見書案第6号に賛成し、意見書案第7号に反対する討論を述べさせていただきます。
まず第6号は、すべての国民の住民票に10桁のコードをつけ、住所の情報を一元的に管理する住民基本台帳法(案)に反対する意見に賛成する立場で発言いたします。
まず第1点は、住民票は市民の居住場所を証明するものが本筋であり、それ以外に使用することは認められていないことです。しかし、全国の自治体をつなぐコンピューター網に住民票が載りますと、個人、個々の情報が1カ所に集約することができますので、過失とか、故意とか、業務で他の用途に使用されるおそれがあります。
第2点目は、この事務は地方自治体の仕事であります。
コンピューター導入による行政の事務、効率化・簡素化は推進すべきことだと思いますが、個人情報が全国から寄せ集まることが可能になり、本人が知らないところで使われる人権侵害を受ける可能性が出てきます。よって、プライバシー保護の万全な体制が必要ですが、制度的にまだ整っているとは言えません。
第3点目は、2点目で少し触れました個人情報の一元管理ですが、個人情報が大量に流出するケースがあります。既に他の自治体、市において発生していることが新聞報道されております。外部システムとの接続で大規模な流出する危険性を否定することができません。
今回の法改正は、効率化・簡素化と、個人情報保護のどちらを優先すべきかということが問われております。15日に衆議院を通った法案も、附則に「個人情報保護に万全を期するため速やかに措置を講ずる」を加えて修正されたものです。政府も問題があったことを認めているわけです。個人情報保護法を持たない、つまり個人情報の使用に何の基準も持たない現状において、住民基本台帳を改正するには非常に危険なものがあります。同法案の意見書に賛成を表明いたします。
続いて、第7号は、国旗及び国歌に関する法案の撤回と十分な国民的議論と合意を求める意見書に反対する意見です。
国会で、日の丸・君が代法案が提出されました。新しい世紀を迎えるに当たり、法制化によって今後の日本の新しいスタートにきちんとした整理をしておくべきだということが見解されております。
過去の経験を反省し、残忍で悲惨な戦争を体験した人々が少なくなってきています。国旗・国歌そのもの自体が悪いのではなく、それを戦争に利用したことが悪いのです。この時期においてこの問題を議論し解決することが、20世紀を歩んできた国民の責務と存じます。
もうすぐ新しい世紀が来ます。時はとまってくれません。国旗および国歌を持たない国民は惨めであり、国民として誇りも持てません。国内の行事、大会、イベント、および国際競技、オリンピック等で、国旗の掲揚、国歌の斉唱、感銘や感動を受ける人々がたくさんおられます。このことはすばらしいことです。既に国民の間で広く定着されていると思います。また、本議事場にも国旗が掲げられていると思います。
政府答弁書要旨において、君が代の歌詞で、「君」は象徴天皇であると解釈され、我が国の未来永劫の繁栄と平和を祈念したものと解釈することが適当であると明確に表示されており、私は妥当な考え方と存じます。
また、教育現場において、国旗・国歌の問題が介入しています。一般社会の習慣、慣習と乖離し、教育現場と一元化されていないことが、国民が大変疑問を抱いております。青少年が一般社会に出ても、戸惑いのないように伝えることが大切なことです。
そして、このことで自殺者もあり、尊い人命が失われております。なぜでしょうか。中途半端な状態に置かれているからです。
以上のことから、国旗・国歌を法制化をすることは必要なことであり、何の障害もございません。また、このような悲しい事件の再発を防ぐこともできるのです。
よって、この意見書に反対いたします。
以上。
47
◯議長(
田島茂洋君) 5番伊藤善規君。
〔5番(伊藤善規君)登壇〕
48 ◯5番(伊藤善規君) ほとんど出尽くした感がございまして、色あせた感じもしますんですが、最後でございます。いましばらくだけご辛抱いただきたいと思います。
私の方からは、意見書案第4号および意見書案第7号でございますが、それぞれに反対する立場で討論をさせていただきます。
まず初めに、意見書案第4号に反対する立場からではありますが、まずこの3法とは、通信傍受法案、組織的な犯罪の処罰・犯罪収益の規制法案、そして刑事訴訟法改正法案でありますが、通信傍受法案に絞って意見書が提出されておりますことから、この点について考察してみたいと思います。
既に反対の討論が村岸議員さんから詳しくなされておりますが、過去に捜査の現場に携わった者としまして、捜査の実際という面に着目して討論をさせていただきます。
一部マスコミ、評論家の中に、また今回の意見書案、また
提案説明もそうでありますが、通信傍受法案を盗聴法案であるなどと、国民の不安をかき立てる誤った表現がなされておりますが、議員活動におきましては、まずもって用語、言葉を正確に使用するということがスタートなのではないのでしょうか。盗聴、すなわち盗みとは違法行為であり、片や傍受とは、新たな捜査手段を言うのであり、適法行為なのであります。
反対論者は市民生活の秘密やプライバシーが侵害されると被害者意識を強調されますが、先ほど村岸議員が詳しく説明されましたように、憲法第12条、13条に規定されておりますとおり、憲法に保障される基本的人権とは、おおよそいかなる人権にありましても、決して無制限に保障されるものではなく、公共の福祉という抑制機能が働くのであり、今回の場合、通信の秘密という基本的人権は、犯罪の捜査のためという公共の福祉により抑制されるのでありまして、意見書案が言う「憲法の原則を真っ向から踏みにじるもの」であるとは、基本的人権の本質を歪曲、歪曲とはゆがめ曲げることをいいます、歪曲するにも甚だしいものであります。
刑事判例におきましても、平成4年10月15日の東京高裁の判例ではありますが、このように言っております。「電話の傍受は…犯罪捜査においては…通信の秘密が侵害されるおそれの程度を考慮しつつ…真に止むを得ないと認められる場合には…電話の傍受を行うことが憲法上許されない訳ではない…」としております。すなわち、
提案説明に言う「憲法違反」ではないのであります。
また、本法案は、傍受捜査に厳格な要件を求めているのであり、傍受令状請求権者を、逮捕状は警部以上でありますが、これを警視以上にするとか、また立会人を義務づけるとか、終了後裁判所の審査を受けるとか、捜査前、捜査中、捜査後のいずれも厳格な司法の審査を受けるのであり、意見書案の言う「歯止めのない人権侵害」などとは起こり得るはずもないのであります。
国際的に見ましても、アメリカを初め、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア等の欧米先進諸国におきましては当たり前の捜査手法でありまして、国際組織犯罪に対応するためにも、不可欠な捜査手法なのであります。こうしたことから、今回ドイツで開催されましたケルンサミットにおきましても、国際組織犯罪への対応が宣言されたのであります。
本法案がもっと早くに整備されておりましたならば、オウムによる地下鉄サリン事件を初め、暴力団の資金源ともなっております覚せい剤の密売事件、さらには、中国の密航組織「蛇頭」によります集団密航事件などもことごとく抑止されていたのであります。
巧妙化、潜在化、国際化する組織犯罪には、従来の尾行や張り込み、捜索・差し押さえ・検証・身体検査令状ではもはや十分には対応できないのであります。
以上、捜査現場の実際から判断いたしまして、本法案の一日も早い成立が待ち望まれるのであり、共産党議員団から提出されました意見書案第4号に反対するものであります。
引き続き、意見書案第7号に反対する立場から討論をさせていただきます。
これも既に先ほど松本議員さんがお話しになったところでありますが、政府は、国旗・国歌法案を今国会に成立させるべく、さきに政府統一見解を発表しております。それによりますと、「日の丸および君が代が、長年の慣行により、それぞれ国旗、国歌として国民の間に広く定着していることを踏まえ、成文法、その根拠を明確に規定することが必要であるとの認識のもとに法制化を行うものである」としております。
また、特に君が代の歌詞につきましては、「君」とは日本国および日本国民統合の象徴である天皇であるとして、日本国憲法第1条を根拠に、極めて常識的な見解を示しております。
こうした政府の統一見解を待つまでもなく、NHKを初め産経新聞社が先ごろ実施いたしました世論調査におきましても、国民の8割から9割が日の丸を国旗とし、7割から8割が君が代を国歌と認識しているとの結果でありました。
日本共産党を初めとする一部政党の中には、論議が尽くされていないとか、国民的合意が得られていないとして法制化に反対をしますが、それらがいかに国民世論と遊離、離れているということですが、遊離しているかを物語っているものであります。
そもそも法制化のきっかけは、広島県下の高校の校長先生のご不幸な事件からではありますが、日本国民としての帰属意識にかかわる基本問題が、とうとい命が失われてから取りざたされるということこそが、いびつな日本の現状をあらわしていると言えるのであります。素直な目で見ていただきたい。
これも先ほど指摘されましたが、例えばオリンピックを初め、スポーツの国際試合におきまして、選手が君が代を背景に国旗に正対する姿に、すべての日本国民が日本人としてのナショナリズム、すなわち民族主義であります、ナショナリズムを実感し、感激するのであります。
また、歴史を見ましても、幕末の大政治家、我が藩の井伊直弼公が、アメリカに派遣をいたしました万延元年の遣米使節団、その使節団が乗船しました軍艦ポーハタン号のマストには、日の丸がへんぽんと翻っていたのであります。このとき、傍らにおりました老中安藤信正が、この日の丸を指さし、「大老、日本の夜明けでございますな」と言いますと、直弼公の目からは大粒の涙が噴き出し、言葉にならなかったと書物には書かれております。こうして、日本国日の丸が我が、直弼公の手により初めて外国の地に渡ったのであります。
さて、政府の統一見解には、日の丸および君が代は日本の慣習であるとしておりますが、私は、それ以前の日本国民の精神的支柱、支えそのものであると認識しております。そうしたことから、義務規定や尊重規定のないことに寂しさを覚えるものでもあります。
以上の考察によりまして、共産党議員団から提出されました本意見書案第7号には真っ向から反対するものであります。
何とぞ、意見書案第4号、第7号に対する私の討論にご賛同をいただきますようお願いを申し上げます。
49
◯議長(
田島茂洋君) 以上で通告による討論は終わりました。
ほかに討論はありませんか。
(「なし」という呼ぶ者あり)
50
◯議長(
田島茂洋君) 討論なしと認めます。
これにて討論を終結いたします。
これより採決を行います。
ただいま議題となっております各意見書案のうち、まず意見書案第3号「食料・農業・
農村基本法」および
関連政策の充実を求める意見書案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
51
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立全員であります。よって、意見書案第3号は、原案のとおり可決されました。
次に、意見書案第4号「組織的犯罪対策」3法(盗聴法)(案)に反対する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
52
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立少数であります。よって、意見書案第4号は、否決されました。
次に、意見書案第5号地方自治体の自主的な行財政権を保障する「地方分権法」の制定に関する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
53
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立少数であります。よって、意見書案第5号は、否決されました。
次に、意見書案第6号住民基本台帳法「改正」案に反対する意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
54
◯議長(
田島茂洋君) ご着席願います。
起立少数であります。よって、意見書案第6号は、否決されました。
次に、意見書案第7号国旗及び国歌に関する法案の撤回と十分な国民的議論と合意を求める意見書を採決いたします。
お諮りいたします。
本案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
55
◯議長(
田島茂洋君) ご着席ください。
起立少数であります。よって、意見書案第7号は、否決されました。
お諮りいたします。
ただいま可決されました意見書第3号中に万一字句等について整理を要する場合は、その整理を議長に一任されたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
56
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、そのように取り計らいます。
意見書は、議長より直ちに関係先へ提出いたします。
この際、お諮りいたします。
議会運営委員長、ならびに環境対策特別委員長、市立病院対策特別委員長から、会議規則第103条の規定により、閉会中もなお審査および調査を継続する必要がある旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
各委員長の申し出のとおり、閉会中の継続審査ならびに継続調査に付することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
57
◯議長(
田島茂洋君) ご異議なしと認めます。よって、議会運営委員長、ならびに環境対策特別委員長、市立病院対策特別委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査ならびに継続調査に付することに決しました。
以上で
今期定例会に付議されました案件はすべて議了いたしました。
これにて平成11年6月彦根市議会定例会を閉会いたします。
ご苦労さまでした。
午前11時59分閉会
会議録署名議員
議 長 田 島 茂 洋 君
議 員 谷 口 典 隆 君
議 員 西 村 久 子 さん
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